セントレアの取り組み
続いても、振興環境委員会の県内調査、中部国際空港の取り組みについてです。
中部国際空港(セントレア)は、開港直後こそ好調であったものの、
リーマンショックや新型インフルエンザ、東アジアの緊張を生む事案などで、
利用客が伸び悩む時期が続いていました。
ここに来て再び好調な利用客推移となっている要因は、皆様ご承知のとおり。
インバウンドと言われる、アジアを中心とした訪日外国人客の増加です。
空港経営には、中長期計画を立てていますが、
これまでのものは、日本人が外国へ出掛けて行くこと(=アウトバウンド)を中心に、
旅客機もジャンボ機を主流に考えていました。
今はその逆になっています。
各地から空港への直行バスは、利用者(日本人)の伸び悩みで廃止となったものもありますが、
現在は、外国からの個人旅行者が観光地に直行できるという需要から再び注目がされています。
外国からの個人旅行者むけサービスとしてのひとつは、観光案内カウンターの充実です。
カウンターでの業務は、アジア向けの4ヶ国語に対応しており、
貸出しの端末も母国語表示で、観光地の歩行者用道案内まで出来るようです。
日本製の電化製品やドラッグストアの空港内免税店充実、
イスラム教アジア諸国からの方向けの礼拝室などもあります。
航空需要は、旅客・貨物の合計を見ても回復基調にあります。
滑走路の混み具合については、離発着数が上限数に近い時間帯があることや、
夜間の滑走路メンテナンスでは、作業時間を取れなくなる可能性も出てきており、
2本目滑走路が必要になってきている状況を伺いました。
ただし、セントレアは空港開設の経緯から、民間経営の色合いが強いこともあり、
第二滑走路への空港島拡張の埋め立てから全ての費用を運営会社が工面することには、
とても大きな事業リスクとハードルがあります。
空港敷地内にある、ビジネスジェットの格納庫等を拝見する横では、
ボーイング787の機体部品を空輸するドリームリフターが飛び立っていきました。
セントレアの敷地内には、B-787カーボン複合材等の部品を取り扱う施設があります。
供給体制の強化として、この施設の拡張も現在工事が行われています。
写真は、ボーイング787型機の試験機。
ボーイング社から寄贈されたもので、見学等活用等の施設についても現在計画が進められています。