高齢者の事故について
Posted by nakane on 5th 3月 2017
高齢者のかたから、次のようなお話をお伺いしました。
テレビから毎日のように高齢者の事故が報じられ、
高齢者がハンドルを握ることが「悪」の様におっしゃるコメンテーターの言葉に、
より一層気を付けて運転しているものの、日常生活に自動車は必需品で、
乗らなきゃ一日が暮れないし、何かあったら息子たちに申し訳なく、とても辛い。
さて、実際のところはどうなのでしょう。
愛知県警の統計資料から見た結論は、
「高齢者の人身事故件数に、大きな変化は無い。」
と言えます。
人身事故件の全体数が減少しているため、
構成比率で見た場合には、増加の傾向を示します。
これに、免許保有者全体に占める高齢者割合の増加を重ね合わせると、
母数の増加に連動した人身事故件数の増加、と言えないこともありません。
2つの統計からは、
高齢者ドライバーの人身事故増加を明確に示す内容には至りませんでした。
ただ、人身事故における死亡事故の発生率を見ますと、
若者、一般成人と比べ高齢者が高くなっていることが分かりますので、
引き続き注意深い安全運転をお願いすることに変わりはありません。
実際の事故発生メカニズムに関しては、
日常走行距離との関係や、ブレーキのオン・オフ情報など、
ITS2.0の普及によるビッグデータが期待されているところ。
今後の技術進歩と、研究の進展を期待したいと思っています。
※ 挿入の表は、クリックすると拡大表示されます。
なお、表は私が作成したものであり、人身事故の表については、
子どもを第一当事者とするものについては発生数が少数なことから記載を省略しております。
33月