ジョブズと親鸞さん
Posted by nakane on 7th 2月 2015
明日ありと 思ふ心の 仇桜
夜半に嵐の 吹かぬものかは
先日のご葬儀にて、入口に飾られていた故人の書。
親鸞上人絵詞にある歌だそうです。
この歌から、スティーブ・ジョブスを思い起こしました。
「もし今日が、人生最後の日だとしたら、今日やる予定のことは、本当に私がやりたいことだろうか」
という言葉の元は、この歌だったのだろうかと。
ジョブズは、日本の宗教観に精通をしていた人物といわれています。
日本人の宗教観では、人間は「絶対」の間を揺れ動く存在。
絶対的な「正」もなければ「邪」もない、
光(白)と闇(黒)の間にあるから、この世は色に溢れている。
日本人にとっては無意識の世界だが、ジョブズはこの関係性をロジカルに理解できていたので、
インターネットにおける個人が、情報の提供者であり、受益者であり、カスタマイズ者であるという関係性を正確に認知できた。
かつて聞いた論評が、不思議といろいろ蘇ってきました。
毎日に、なすべき自分を見つめる厳しさ、
本質を見つめたいと模索する姿勢を忘れないことを、
故人の歌に教えていただきました。
22月