地方創生 提言へ向けて
地方創生PT、農林水産チームでの調査活動。
津島、弥富、一宮、名古屋守山の5箇所において調査活動をさせていただきました。
ご協力を賜りました皆様ありがとうございました。
調査テーマは、多岐に亘りましたが、共通する視点は、「出口」。
出口戦略の大切さを改めて感じたところでした。
調査テーマは、福祉分野と農業との可能性。
障がい者福祉施設で栽培された野菜が、併設されているカフェレストランでも使われています。
「育てた野菜はすべて無駄にしない。」
そこには、自分たちが育てた野菜が役に立っているという価値創造があります。
そのために栽培量も、給食やレストラン等での必要量から逆算して決められています。
野菜の栽培は、一人ひとり異なる障害度合いをもつ方々にとっても、
植物の生育過程やさまざまに異なる作業の組み合わせから、とても良い効果があるとのことでした。
調査テーマは、水耕栽培(植物工場)。
水耕栽培分野での日本の草分け企業を調査。
培養液の水温を低く保つことで、夏の暑さにも耐えられる施設園芸が可能とのこと。
冷涼な気候のオランダ式統合制御とは異なる考え方です。
水耕栽培は場所を選ばないことから、大消費地内(もしくは隣接地)で行うことで、
輸送コストを省くことができる利点があります。
消費需要から逆算することで、施設規模や生産量を計画する経営戦略が基本なのだそうです。
調査テーマは、ICTを活用した農作業の効率化と六次産業化。
米・麦・大豆の作物が対象です。
収穫量&品質に対する肥料の最適量や、肥料種類の選定など、
データを蓄積していくことで見えてくるものがあるのだそうです。
収穫作物については自前の販売ルートを構築し、
六次化についても割れ米を米粉にするなど無理の無い範囲での展開のお話を伺いました。
調査テーマは、女性起業・六次産業化。
ピアノの先生から農家の継承へ。栽培分野を選んだ結果、いちじくとなったとのこと。
いちじくはキズがつきやすい果実。ジャムにするもの、丹精込めたものを大切に扱うことから。
ジャムは予約で10月まで一杯なのだとか。
栽培面積の拡大についてお伺いすると、
「手と目を掛けられる範囲でしかやりません。」と、いうお答え。
かつて、「食べれずに、一年待つのも味のうち」と、お話しされていた方の言葉を思い出しました。
調査テーマは、都市(近郊)農業。
「テレビや雑誌の取材はお断りしています。」という、ぶどう農家さん。
理由は毎年の常連顧客を大切にするため。
販売も、常連さんのための宅配もされていますが、基本は農園の店頭売りのみとのこと。
都市部だからこそのありようにも感じました。
農園が農業振興地域にあるため、新たに建つ住宅による農作業阻害は無いとのことでしたが、
農業継承が最大の課題ということで、現在の農業の課題をダイレクトに感じたところでもあります。