アーティスト・トーク
今回も、あいちトリエンナーレです。
開幕してのこの1週間は、各地で連日のイベントづくめ。
作家さんのトークイベントも沢山あり、
知らなきゃ損々、もったいないの時期でもあります。
岡崎市図書館交流プラザで行われたトークイベントは、シュレヤス・カルレさん。
(インドのムンバイ生まれ。岡崎会場の表屋さんにて作品を展開)
※ 写真・動画・音声撮影禁止なので、開会前の設営の様子だけですみません。
現代アートの素人の楽しみ方について、
3年前、芸術監督に勇気をもって伺いました。
「作家の背景を知ると、もっと感じ方の幅が広がりますよ、例えばこの作家さんはね・・・」
と、教えていただいたのはイスラエルの作家さんの作品。
海外の作家さんの出自を理解することって、やっぱり難しいのかも・・と、その時は正直、感じてしまいました。
その意味からも、このアーティスト・トークは、
作家さん自身から、作品の制作に込めた思いを伺うことができる絶好の機会です。
大きなことをいいましたが、開会3分前、私は4人目の来場者。
私の次に入ってこられたのは、なんと、港千尋芸術監督。
となりでラッキーな一枚です。
開会後も、それなりに人が入ってきます。
皆さんお互いに小さな合図をして通り過ぎるので、作家さんや関係者さんが中心なようです。
来場者の傾向としては、外国人率、短パン率が高く、
Yシャツ姿は黄色と白色の2人だけしかいません。
最終的には30人近くが来場。
「その話は、これが終わった後で話そう。」などの笑いが出ていましたので、
シュレヤスさん、打ち上げを兼ね、来場の皆さんと岡崎のまちへ行かれたのかもしれません。
さて、トークの内容ですが、実に面白い。
展示の建物内を空っぽにしようと、必死に片づける家主さんに対し、
掃除はしないで、そこにあるものリストを作って欲しい。と頼むシュレヤスさん。
時間が止まった建物に、呼吸をさせたい。
食器や家具などの家財道具がもつ生活くささが醸し出す、
「ドメスティック」と「プライベート」を分ける細い一線でありつつ融合的でもある感覚。
建物自身が持つ自己主張の強さに耳を傾け、その補助役として発信するアート。
分かるような・・・、分かったように振る舞いたいような・・・。
その後、話題はとび、
シュレヤス・カルレさんがインドで行った、バーター・コレクション。
著名な芸術家であるシュレヤスレさんが、売れない芸術家の作品をコレクションしはじめたらどうなるか。
結果は、利休好みのような商業美術で高騰の影響があったそうです。
「アーティストが創作活動だけで生計を営むことができるには」、
という、深~い話に入ったところで時間オーバーで終わらざるを得ませんでした。
通訳さんを通しているため、2時間という時間でしたが、
実際にはその半分も作家さんの話を聞いていないような、「短い」という感覚でした。