芸能ことはじめ
Posted by nakane on 11th 1月 2017
先日お招きをいただきました、幸田町文化協会様のことはじめ。
三河万歳を皮切りに、民謡、歌謡、民踊、剣詩舞、日舞など9つの芸能発表。
芸事の少しでも嗜むことができたのなら、人間としての幅につながるのだろうと思いつつ、
素晴らしい舞台を、うらやましくも拝見をさせていただきました。
さて、「武士道と云ふは死ぬ事と見つけたり」 で有名な「葉隠」の中に、芸事について書かれた箇所あります。
要約をしますと、
人の一生は短いので、自分の好きなことをするべきだ。
とはいっても、若い者は一生懸命に奉公する(働く)事が第一なので、このことは爺の内緒の話。
芸事や風流事は隠居してからで良い。
山﨑なる家老は、隠居後に俳諧を極めるほどに熱中したが、現職にあるときは触れることすらしなかった。
という内容です。
菅野覚明氏は著書の中で、
「隠居は、生の余り(余生)ではありません。それは、「一生を見事」に暮らした己が、あらゆる束縛を離れてありのままに生きる、
もう一つの(そしてもしかすると、現役であったときよりはるかに充実した)真の人生なのだといえるのです。」
と言っています。
セカンド・ライフという言葉がありますが、この捉え方はすでに戦国や江戸時代にあり、
それぞれの経験や年齢に応じて、人生が重層的に構成されるという、豊かな考え方があったのだと言えそうです。
このこと、無芸な自分への自己弁護でもありますが、
やっぱり、一芸でもあるといいなぁぁ(^-^;)
11月